2008年05月02日

ろう学校、砂山小学校、各校長先生との「会談」

 4月30日(水)午前9時半、県立和歌山ろう学校にて、今春着任されたばかりのK校長先生と「会談」。
 『砂山南地区教育福祉施設・保護者連絡協議会』を代表して、協議会の“趣意説明”をさせて頂きました。
 この会談には、同校PTA・M副会長さんがご同席下さいました。

 続いて、午前11時、市立砂山小学校にて、新校長のT先生と「会談」。
 こちらの会談には、同校PTA・T会長がご同席下さいました。


「砂山南地区教育福祉施設・保護者連絡協議会」代表


 午前9時半、県立和歌山ろう学校にて、今春着任されたばかりのK校長先生と「会談」。
 『砂山南地区教育福祉施設・保護者連絡協議会』を代表して、協議会の“趣意説明”をさせて頂く。
 この会談には、同校PTA・M副会長さんがご同席下さった。

 同校の「教育方針」と「重点目標」は、以下の通りである。

教育基本方針

 本校の教育は、教育基本法の理念のもと、人格の形成を目ざし、幼児・児童・生徒の発達段階及び生活実態に即応した科学的教育を行い、障害に基づく種々の困難を克服し、積極的に社会に参加し、貢献しうる人間を育成する。

重点目標

 ◎ 健康・安全教育を推進し、明るくたくましい心身の育成に努める。
 ◎ 豊かな思考力と言語能力の育成に努める。
 ◎ 自主的、自発的に学習する態度・心を培い、基礎学力の向上に努める。
 ◎ 障害の自覚を深め、自治活動の前進に努める。
 ◎ 正しい生活態度と社会性を培い、社会自立に必要な知識、技術の育成に努める。

 同校には、上記の方針と目標に沿って、幼稚部・小学部・中学部・高等部、そして寄宿舎も備えられているが、障害を抱えながら社会への自立を目指す子供たちの成長の為には、必ず地域間・学校間の交流が必要なのだと、K校長は仰られた。

 同校では、互いを受け入れる土壌をつくるコミュニケーションの場、交流の機会を、何時でも何処でも歓迎して下さるとのこと。
 健常者、障害者、そして、その両方の保護者と地域の方々の「相互理解」は、文字通り「親睦和融」の“経験”の上にこそ顕れる。
 大切なのは、まず“交わる”ことなのである。

 K校長との「会談」は、約1時間強。
 本当に沢山の事柄について意見を交わさせて頂いたが、その多くについては、今は割愛する。
 しかし、一点、申し述べるとするならば、私達は本当に何も、何一つも分かっていないということ。
 この無知、無自覚、無関心が、そのまま“差別”へと繋がってゆくのだということを、私達は肝に銘じたい。

“ 私の内に在る 『松本辞典』 の見解は、「平等とは差別あること(違い)を知る(認識する)こと」 そして、「共に総和(調和)を目指すこと」-。
 人間一人ひとりが、自分自身の個性を愛し、それぞれの置かれている立場や環境をよく学び、そしてよく理解し、他の個性を重んじながら、互いに欠けたる部分を補って、一つに纏まっていけたなら、どんなにか素晴らしいことだろう-。
 誰一人として、同じ人はいないからこそ、二人といない自分を愛し、二人といない隣人を、願わくば愛していきたいものである。
 かつての支配者層によって作られた差別なるものへの偏見と、身体的特徴に対する愚弄、そして、他のありとあらゆる考え違いは、ほんの少しの勇気と努力できっと克服できるはずだから-。 ”

※「心のサロン」<平等について>より( http://imosefutatabi.net/kokoro2/kokoro.html )


 午前11時、市立砂山小学校にて、新校長のT先生と「会談」。
 こちらの会談には、同校PTA・T会長がご同席下さった。

 T校長は、会談の最中にも、お電話が引っ切り無しのお忙しさ。
 『協議会』の活動のあらましと“文教構想”については、すでに先生も御存じで、また市教委からの要請も受けておられるご様子。
 6教育福祉施設が集中する類稀なる“文教地区”である、この砂山南地区に於ける同校の役割も踏まえて、施設間の協力は大切であるとの認識に立って、共に“子供たちの未来”を見据えて協調してゆくこととなった。

 現在、既に同校では、県立和歌山商業高校との学校間交流もおこなわれており、益々交流の輪を広げて行ければと思う。

 会談の最中、T校長からは、現在、同校で取り組んで居られる子供たちの“俳句=但し、季語などに捉われず、日常の様々な事柄を五・七・五の文字で表す”を見せて頂いた。
 この子供たちの感性の豊かさは、逆に捉えれば、私たち大人の考えや行動如何によっては、瞬く間に“善にも悪にも”染まるのだということを、心に刻んでおきたい。

 こちらの会談も、約1時間。
 とても有意義な時間、先生方にはご多忙の中を本当に有難うございました。

 また御同席下さった「ろう学校」のM副会長には、保護者としての真摯な思いを、「砂山小学校」のT会長には、保護者としての熱き思いを、それぞれに語って頂きました。
 今更ながらに、お2人、そして保護者・役員の皆様にお会い出来たことに、深く感謝申し上げます。


Posted by 文教の杜 at 22:37│Comments(1)
この記事へのコメント
先日、和歌山ろう学校に協議会代表松本氏にお越し頂けたことは本当にうれしいことでした。M副会長こと、宮本です。
やはり、多くの方にろう学校をもっと知っていただくという意味で、今回ブログにおいて代表に広く広報していただけたことは、ろう学校の歴史において大きな前進であったことです。私自身、子どもの頃からろう学校に身近に住んでいながらもまったくといっていいほどその存在や雰囲気など知らずに育ち、子どものおかげでろう学校というひとつの素晴らしい世界を知ることができました。知らなかったのはごくごく当たり前の、自然なことだったと思います。今までろう学校自身もひっそりと息を潜めて暮らしてきたのかもしれません。でもいま、その素晴らしさを知った私はもっと多くの人に知ってもらいたい気持ちでいっぱいです。2年ごとに行われる和ろう祭の劇は本当に地域の多くの人に足を運んでもらいたいです。そのためにももっと親しみやすい環境や雰囲気作りをしていかねばならないなあと感じています。

 ろう学校には手話というひとつの言語に基づいた文化があります。国連の障害者権利条にも「言語には音声言語と手話がある」と定義付けられています。信じられないような話ですが、最近まで、ろう教育においては手話は禁止されていたのです。しかしそんな中でも、手話はろう者の間に生き続け、継承され、発展をし続けています。
ですから、ろう学校は教育施設でありながら、同時に文化の発信地でもあるのです。
 

会談でも話したことですが、これからの時代はもっと障害者やその家族自身が堂々と生きていく、強いくじけない心を作っていくことで真の意味で、代表がおっしゃる「総和(調和)」に向かっていけるのではないかと思っています。そのために、当事者がどんどんご近所の方や地域全体なり、関連団体なりにおいて語っていく責任を負っているような気がします。
 覆い隠していては、ますます本質が見えにくくなってしまいますね。悪循環におちいってしまいます。障害者に限らず、介護や子育て、いじめや不登校や自殺、すべて心の問題ですから・・・。

 この協議会が今後、益々発展し、実質的に機能していくような形作りをひとつひとつ丁寧に積み上げ、種子を蒔いていけるような土壌作りが着々と進んでいることに、代表をはじめとする協議会メンバーの方々、自治会の方々、議員さん、市の職員の方々、和歌山大学の先生、各教育施設の職員の方々、保護者の皆様等々に改めて深く感謝申し上げます。
Posted by 宮本 at 2008年05月09日 17:37
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